”エンタープライズ・リッチ・クライアント”セミナー

(株)IDGジャパン主催、ITアーキテクト特別セミナー「エンタープライズ・リッチ・クライアント」へ行ってきました。
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http://www.itarchitect.jp/event/special/200803/
会場では、「ITアーキテクト総集編DVD」を先行販売してたので、買ってきました。
Vol.1 ~ Vol.10までが、PDF形式でDVDに収録されています。
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(注: ステラ・ルーシェは付属しません。)
以下、φ(..)メモメモ
■ 基調講演 業務アプリのUIとリッチクライアント技術を巡る最新動向
NRIの田中達雄氏の講演でしたが、非常によくまとまった内容で、基調講演にふさわしいものでした。
産消逆転を持ち出してコンシューマ世界で起きていることがエンタープライズ世界に影響を与える時代になってきていることから、コンシューマ世界のトレンドの重要性を説いていました。
UIの主導権は、システム開発者ではなく、ユーザ側に以上されようとしている、というわけです。
また、機能や性能ではなく、感性価値(どれだけ感性に訴えるか)が重視されつつあるとも述べていました。
そして、リッチクライアントは、”エクスペリエンス・テクノロジー”(NRI用語らしい。ユーザ・エクスペリエンスの価値を高める技術)に融合していく、と、まとめていました。
■ RIAは見栄えだけの技術ではない。あらゆるリソースをサービス化するアドビのEnterprise RIA
アドビの小島氏の講演でしたが、Flex 3、AIRの紹介に終始することなく、サーバサイドのデータサービスの重要性を説いていました。
具体的には、LiveCycle Data Services ES(商用)、BlazeDS(OSS)についての解説です。デモは、大きなデータに対して、AMF3によるバイナリ通信でのリモーティングと、Ajax+JSONでのレスポンスタイムの比較でした。
また、ADOBE DIRECTORYのデモも行われました。これは、LDAPを使ったディレクトリサービスと、他のサービスをマッシュアップしてAIRアプリで一元的に扱えるようにしたもので、AIRのデモとしては象徴的な例なので、一度見ておくといいと思います。
■ エンタープライズを指向するNexaweb リファレンスアーキテクチャとリッチクライアント技術
ネクサウェブの福島氏の講演でしたが、Enterprise Web 2.0リファレンスアーキテクチャとは、要するに、エンタープライズシステムのサービスレイヤをカバーするアーキテクチャの総称、ということ!? というふうに理解しました。スライドは多かったのですが、うまく語れてなくて、もったいなかったと思います。
Nexawebは、デモを見たら、「だいたいわかった!」という感じでした。
■ iBIZBlock for flex3が見せるEnterprise RIAで必要とされているUIとは
NECシステムテクノロジーの坂田氏の講演でしたが、冒頭のFlex導入ユーザに対する調査結果の分析が、切り口としては良くて、その後の話、すなわち、RIA移行タイプの分類、そして、iBizBlockの紹介への流れへつながっていました。
iBizBlockは、C/SアプリのRIA化に威力を発揮するFlexコンポーネントですが、デモも適切で分かりやすかったと思います。
■ 340社以上の導入実績が語る! エンタープライズシステムが求める真の操作性とは?
カールの三野氏の講演でしたが、冒頭で、Curlの国内実績は国内350社との訂正があり、導入実績を強調しての滑り出しでした。
Curlは、Web AppからRIAよりも、C/SからRIAへのマイグレートパターンが多いそうです。たとえば、自動車業界のシステムでは、C/Sアプリの画面UIが複雑なためにWeb化困難とのことで諦めていたものを、CurlでRIA化するといったものだそうです。
デモは、某ガラス工事会社の見積システムで、サーバから9,000件だったかのデータをクライアントにDLし、ローカルで全部処理するといったもので、KBのみ(Enterキーでのフォーカス移動やFK操作、バリデーションなど)、マウスでのドラッグ操作から帳票作成といったシナリオでした。
また、個人情報保護の観点で、クライアントからのクリップボード経由でのデータ持ち出し抑止、ハードコピーの抑止などのデモもありました。 日立ソフトにも同様の機能の製品=秘文Web Guardがありますが、ああいった機能を標準装備しています。
■ ユーザを満足させる業務アプリUIの設計ポイント
ソシオメディアの上野氏の講演でしたが、氏は、IT系ではなく、デザイナー系コンサルの方ということで、個人的には、この講演が最も役に立ちました。
冒頭、岡山の桃太郎弁当(弁当の形が四角でなく、桃である意義!)で始まり、エレベータのボタンのデザインと続いて、ユーザインタフェースとインタラクションは対になるものだと述べていました。
 これを聞いて、タッチパッド=ユーザインタフェースとすると、タッチパッドをマウスと同じ機能のインタラクションを代替するという発想では単なる省スペースデバイスでしかないが、AppleのiPod TouchやMac Book Airが提供するジェスチャーというインタラクションが組み合わさることによってリッチになる、ということなのかもしれないな、と思いました。(自分なりの解釈です)
 また、ユーザ体験をシンプルにするという観点で考える(何でもかんでもやれるようにするということとは異なる)ことが重要とも述べていました。そもそも、使う人にとって、何をやりたいのか、とううことを把握することが重要であって、そうでないと、IT化したらかえって業務に時間がかかってしまう本末転倒になりかねない、ということだそうです。
あまりたくさん書くとお叱りを受けるといけないので、このぐらいにしておきます。

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